うつ病の接し方で気をつけるべき10のこと
月曜日, 3月 7th, 2011あなたのパートナーやお子さんがうつ病にかかったら、どのような接し方をすべきだろうか? 職場の同僚や上司・部下から、うつ病だと告げられたら、あなたはどのように接するだろうか?
励ますべきではない、「がんばってね」などと言わない・・ これらは聞いた事があるかもしれない。しかしそれ以外にも気をつけるべきことが、うつ病の接し方においては多々ある。 何しろあなたの接し方いかんによっては、うつ病が回復、または悪化へと向かう可能性もあるのだ。 うつ病は先進国では共通して高い罹患率(かかる可能性)を持つ病気である。既に身近な人がうつ病にかかっていて悩んでいる人はもちろん、そのような状況に無い人であっても、いつ訪れるか分からない事態に備え、うつ病罹患者との接し方を知っておいて損は無い。以下がストレスケアネットが推奨する、うつ病罹患者との接し方のポイントだ。
(*うつ病の接し方は第一義的に専門医による指導によるものとして、以下は参考としてご覧下さい)
1 うつ病を知る
そもそも、うつ病とは何か?それを知らなくてはならない。
まず第一に、うつ病は「気持ちの問題」などでは全くない、という事だ。うつ病独特の症状からどうしても「もっとしっかりすれば」などと考えがちだ。しかしそのような接し方は禁物だ。 もちろん精神面も無くはない。しかしそれはうつ病を形成する一部の要因に過ぎず、問題はフィジカルだ。端的に言えば、「肉体的」+「精神的」+「環境的」この3つの要因が重なってうつ病は発症する。精神論は通じない病気であることをまずは肝に命じよう。
2 その人の病状を知る
パートナーや同僚がうつ病なら、あるいはそれが疑われる場合、それはどの程度の病状なのか、かかってからどの程度の時間が経っているのかを知る必要がある。うつ病は他の病気と同じかそれ以上に、早期の対応が肝要である。逆に初期にきちんと対処すれば直る事も多い。もし病院にいっていないなら直ちに専門医に相談するよう説得する事だ。家族であれば病院に付き添うなどして、病状をなるべくきちんと状況を把握する事が大事だ。
3 休ませる
うつ病治療の基本は「薬と休息」、この2つだ。投薬は医師に任せるとして、よほど重症で入院でもしない限りは生活スタイルのケアは身近な人にしか出来ない。まずは休息させることだ。時には(というより多くの場合)一日じゅう布団から出てこない、などという事もある。身近であるほど、そのような状況に最初はついイライラする場合もあるだろう。しかし残念ながら「そういう病気」なのである。とにかく休ませること。
また仕事仲間、とりわけその人を管理する立場にある上司であるなら、長期にわたり休暇を取らせる必要がある。これは時として難しい判断ではあるが、残念ながらうつ病は仕事をしながら直す事の出来る病気ではない。最初はだましだまし出来たとしても、徐々に休みやミスが目立つようになり、ついには立ち行かなくなる。一企業だけでは対応に苦慮する場合もあるが、そうであるからこそ日頃から人事制度面を含めて準備をしておく必要がある。
4 薬を「やめさせない」
既述の通り、薬は休息とならんで最も重要だ。気をつけるべきは「ちょっとよくなってきたから」といって薬を飲むことをやめてしまうことだ。それは初期や軽症の場合にありがちだが、それは非常に良くない。医師との相談なく勝手に投薬をやめると、かえって病状が悪化する場合がある。処方どおり規則正しく薬を飲む(飲ませる)事、勝手にやめさせないことが重要だ。
5 「聞く」事
これはうつ病罹患者との接し方のイロハである。専門のカウンセラーの多くも、実はほとんどの時間を相手の話を聞く事に割く。
まずは相手の話をじっくり聞く事。ただただ、聞く。そしてなるべく「共感」の意を示す。これは簡単なようで案外難しい。最初のうちはどうしてもアドバイスしたり、どうにかして原因を突き止めて「解決」したくなったりするだろう。下手をすると説教モードになる場合すらある。しかしそのような接し方は禁物だ。うつ病はほとんどの場合、素人が話を聞いて解決に導く事の出来る病気ではない。のみならず、そのような接し方は症状を悪化させる場合も少なくない。とにかく「聞く」事。これが一番効果的である。
6 深刻に受け止めすぎない
とはいえ、である。 うつ病の症状は言うまでも無く、抑うつ、つまりネガティブになり厭世的になる事だ。それにより日常の家事なども出来なくなる場合も多い。しかしそのような抑うつ状態で発せられる言葉や態度を、身近な人はストレートに受けてはならない。衝撃的な事を言う場合もあるだろう。全く動けないパートナーを見るのが耐え難い場合もあるかもしれない。しかしそれらは病気による症状なのである。怪我をして血を流したり、腹痛で悶えるのと同じようなものとだと割り切るべきかもしれない。無視するのは良くないが、深刻になりすぎるのも同じくらい良くない。話は聞き、共感する。しかし共感しすぎて自分が辛くならないよう、適度な距離を心がける必要がある。
7 気分転換「させない」事
うつ病の知識が無い場合にままあるが、「こんど気分転換に食事でも行きましょう!」などと誘ってしまうケース、これは最悪だ。既述の通り、うつ病は気分の問題ではなく病気である。仮にストレスが軽度でうつ病に罹患していない場合であれば、気分転換が有効な場合もある。しかしストレスが重度の場合や、既にうつ病に罹患している人にとっては、気分転換のためにわざわざしなくても良い何かをする事、そしてそれを他者がすすめることは絶対禁物である。そのような接し方は病気を悪化させる新たなストレスに他ならない。たとえ親切心であれ、気分転換を促すような発言自体、相手の心の重荷になるため厳に慎む必要がある。
8 重要な決断をさせず、先送りさせる
これはうつ病そのものとというより、うつ病罹患者や家族の生活や将来にとって重要である。うつ病になると、仕事を辞めたくなったり、場合によってはパートナーと離婚したくなったりする場合が少なくない。抑うつ症状で厭世的になっているため、他者との関係を絶ちたくなるのである。 しかしそれは病気による症状がそう思わせているのである。仮に回復して後悔するかもしれないし、逆に職を失う事による生活苦やパートナーを失った喪失感で、うつ病が悪化する事が多い。そのような重要な決断は病気中はさせないこと、少なくともギリギリまで先送りすることだ。
9 再発チェック
うつ病は再発率が高い病気とされている。人によっては一生付き合わなくてはいけない場合もある。薬は絶対に医師に無断でやめない事、通院もしかりである。また少し症状がよくなったからといってあせって職場復帰をしてもいけない。あせって急ぐほど、復職は長続きしない場合が少なくない。周りの人はその人の病状に気をつけ、直ったあとも、無理をしていないか、変わった様子は無いかを継続的にウォッチするのが理想だ。
10 自分を大切に・・・
最後に。これは患者の事ではない。患者と接するあなたのことである。あまりに身近で親身に接するがために、自らの心身も疲弊してしまう事はよくあることだ。しかしそれが最も良くない。 特に彼氏や妻など、パートナーがうつ病に罹患してしまうと、最初は献身的に支えてあげてたい気持ちになる。しかしそれは長続きしない。共倒れになる危険もある。 支える人のメンタルケアは患者のケアと同じくらい重要である。時にはショッピングや外食なども良いだろう。支える人は仕事や家事など普段のライフスタイルは崩さないことを心がけたい。
以上が、うつ病罹患者との接し方についてのストレスケアネットが推奨する10のポイントだ。参考になれば幸いである。なおうつ病の対応についてはまずは専門医のアドバイスを第一義とされる事を再度述べて本特集を締めくくりたい。


