うつ病に脳外科手術
カナダで、うつ病の治療に脳外科手術を施す試みがなされています。
MRI(磁気共鳴画像装置)やCT(コンピューター断層撮影)スキャンの発達により、うつ病における脳の状態が解明されてきました。従来、何もする気にならない、何事にも興味がわかない、といううつ病の症状からして、うつ病の脳は活動性が低下していると考えられていました。
しかし、そうではなく、脳のある場所が異常に興奮していることがわかってきた、との事です。
脳の中心部にある「帯状回」と呼ばれる場所が興奮しすぎて、結果として前頭葉の活動性が低下している、との事です。前頭葉は「意欲の脳」とも呼ばれ、活動性が低下すると何もしたくなくなってしまいます。
そこで、新しい脳外科手術によるうつ病治療として、興奮しすぎた「帯状回」に細い電気刺激用の針を留置して、慢性的に脳を刺激しようとする試みがなされています。
電気刺激で興奮しすぎた脳を鎮めてやるのです。電気刺激用の針や電線は脳の中から皮膚の下を通して、胸の皮膚の下においたペースメーカーにつながれるため、外からはまったく見えません。
カナダで試験的に行われた手術では、鬱病の患者20人のうち、実に6割に効果があったと発表されています。実は韓国でも同じような手術がすでに行われ、よい成績が報告されています。
有効性が確実に検証され、日本で実際の手術が浸透するまでは、もう少し時間がかかりそうですが、もし実証が進めば、かなり画期的なうつ病治療の進化となります。