メンタルヘルス改革:社員が病まない「制度」「風土」「人づくり」
今月の「日経情報ストラテジー - 2008年9月号-」 では、メンタルヘルスが巻頭特集されています。
本誌は、企業の人事総務など当該部門の担当者は必読と言って過言でなく、企業数社の実態取材をもとに、ポイントをまとめています。
企業の情報システム分野を専門とする月刊誌としては珍しいものの、昨今のメンタルヘルスに関する関心や危機感の高さと、とくにIT業界におけるそれを、象徴しているともとられます。
特集1
メンタルヘルス改革
社員が病まない「制度」「風土」「人づくり」
武蔵野 小山 昇社長インタビュー
「うちに うつ病になる社員はいない
コミュニケーションを義務化せよ」
「制度」を作り、改善サイクルを回せ
定量的な実態の把握が不可欠
・日産自動車、三井化学
相談相手は現場の社員
ボランティア精神が育む助け合う風土
・ソフトバンク
コミュニケーション不全がストレスに
自分の意思を伝え合える「人づくり」
・日立製作所、JTB
業務改善活動ととらえて対処せよ
社風や企業文化に応じた施策が鍵
なお、以下の編集者談もまた、興味深いものです。
~抜粋~
日経情報ストラテジー9月号で「メンタルヘルス改革」と題した15ページの特集記事を執筆した。
社員のメンタルヘルス(心の健康)を重要な経営課題として見なして、その改善に当たることの重要性を説いたものだ。
IT(情報技術)活用の事例を紹介することが多い本誌としては珍しい。
しかし、取材しているうちにメンタルヘルス改革とIT活用にはいくつかの共通点があると気づいた。
施策を行き当たりばったりに導入するのは好ましくない。
社員の就労状態などをしっかりと把握して、そのうえで必要な施策を打つことだ。
最近、現状把握から対策の立案・実行までを外部のEAP(従業員支援プログラム)ベンダーに頼り過ぎる企業が少なくない。
EAPベンダーは社員のメンタルヘルスの改善に関して多くのノウハウを持つコンサルティング会社である。
社員のストレス状態の把握や、メールや電話での相談窓口の開設などを得意としている。
自力では難しい作業をアウトソーシングするのは良いが、
システム構築と同じで業務を完全に丸投げしては社内にノウハウは蓄積しない。
効果的なメンタルヘルス対策の仕組みを作っている企業では、総務や人事の担当者が産業カウンセラーの資格を取得したり、
ストレスマネジメントの手法について学んだりと非常に意欲的であった。
EAPベンダーと総務・人事のメンタルヘルス担当者の関係は、ITベンダーと企業の情報システム部門のそれに似ている。
メンタルヘルス改善においても社員のストレスの可視化は非常に重要である。
数十問のアンケートから、部署や年齢ごとにストレスのレベルがどのような高さになっているのか、その要因はどのようものなのかなどを分析できる仕組みが大企業を中心に広まりつつある。
EAPベンダーが提供する場合もあれば、簡易版を自社で作ってしまうこともある。
日経情報ストラテジー9月号の特集では日産自動車や三井化学の取り組みを記事にした。
そして最後は経営陣の姿勢だろう。
社長がITに詳しくないからといって専門部署に任せ切りになっていたり、ITが費用対効果の見えないブラックボックスになっていたりすれば、その企業のIT活用は思うような成果を上げられない。
これもやはりメンタルヘルスと同じだ。経営陣が社員のメンタルヘルス問題を経営の俎上(そじょう)に載せることから改革は始まる。
特集では「制度」「風土」「人づくり」という3つの観点で先進企業の取り組みを紹介した。
最近部下や同僚の元気が無くなってきたと不安を覚えている方々には、ぜひ読んでもらいたい。